私たちはマイエンフェルトを出発してクールへ向かった。そして次の目的地はクールからベルニナ急行に乗ってイタリア・ティラーノだ。
今回はベルニナ特急に乗りたい人に向けて情報をまとめてみた。
ベルニナ急行…の前にクールで腹ごしらえ
スイスの外食は高い。でもお腹は空くのでクールで食を求めてフラフラしていると「COOP」の文字が。ご存知、私たち御用達のスーパーである。
迷わず駆け込み、いつものごとくパンで空腹を誤魔化す予定だったが、スーパーの二階に「COOP restaurant」があり、ひかれて入ってみることに。バイキングでとった分だけ払う形式で思ったよりも安い!さすがCOOP!!
味も美味しかったのでクールでお腹が空いた時には「COOP restaurant」をおすすめする。その後、列車の中で食べるものや飲み物をCOOPで仕入れることもできる。
ベルニナ急行について
私がスイスへ行きたいと思った理由の1つはトレッキングで、もう1つはこのベルニナ急行に乗ることだった。
クールまたはサンモリッツから国境を超えてイタリアのティラーノまでを結ぶパノラマの観光列車である。世界遺産に登録されているレーティッシュ鉄道のアルブラ線とベルニナ線上を走る列車でもある(アルブラ線は氷河特急でも走る)。
約4時間ほどのルートで、高低差が1823mもあるのにも関わらず、登山列車についている返し(坂道で車体が落ちないようにするためのもの)がついていないため、急勾配を走ることができず大きくカーブしながらゆっくりゆっくり標高を下げていく。
100年以上前に作られた線路を今も現役で使っているというのもロマンを感じて良い。
この列車に憧れた1番の理由は車窓から見える絶景である。氷河や湖、山などの大自然を存分に味わえる一方、ループ橋などの建造物、スイスからイタリアに移動する中で街の様子の変化など様々な楽しみ方がある。
車内で氷河特急のような食事のサービスはないが、飲み物などの機内サービスはある。飲食はOKのため、家族でお弁当を広げる人もいた。絶景を見ながらピクニックみたいで楽しそう。
席には英語のパンフレットがあり、そこにあるQRコードを読み取ると日本語で場所ごとに見どころの解説を見ることができた。これがあったおかげで氷河特急と比べてベルニナ急行のことを詳しく知ることができたと思う。
予約方法と座席について
ベルニナ急行はレーティッシュ鉄道のHPから予約できる。夏シーズンに人気のある座席を取るためには、早めに予約した方が良い。1ヶ月前に8月中旬に予約したが、すでにかなり埋まっていた。
料金は、クールから終点のティラーノまでは2等席で1人89スイスフラン(CHF)(乗車券63CHF+座席指定26CHF)。サンモリッツからクール間は58CHFである。
スイスからイタリアに向かう急行は右側座席が、逆方向は左側がオススメらしい。下に紹介する有名スポットがそちらサイドにあるからだ。私たちは左側に座ったが、十分に景色を満喫できた。窓が大きいしカーブが多いので、右側にいないと見れないスポットはなかった。
スイスハーフフェアカードがお得!
私たちはスイス内の鉄道やバスが半額で乗れるスイスハーフフェアカードを事前購入した。VELTRAという海外旅行サイトで120CHF(約2万円)で買った。
ハーフフェアカードはグリンデルワルドで乗ったユングフラウ鉄道とケーブルカーも半額にできるので、スイスでの山岳観光を満喫する場合、元は十分取れる。
このカードは乗車券だけが半額になるため指定席料金は定額のままになることに注意したい。クールからティラーノまでのベルニナ急行だと、乗車券31.5CHF+指定席料金26CHF=57.5CHFになる。
購入後、メール宛に電子チケットが送られてくるので、使う際はスマホを見せれば適用できて楽ちんだった。
ベルニナ特急の見どころ
ベルニナ特急は乗っている間中ずっと楽しかったが、いくつかの見どころがあるので紹介する。私たちはクールから乗車したため、クール→イタリアに至る順番に紹介する。
ランドヴァッサー橋
私たちはベルニナ急行で通過したが、氷河特急でも同じルートを通る。
写真ではうまく伝わらないし、乗車しているとうまく写真も撮れないが渓谷にそびえ立つ高さ65mの石橋である。
一番最初の見どころで、昔の時代にこれを作った人たちのことを考えるとその技術力に圧倒する。
ビアンコ湖
中盤の見どころはビアンコ湖である。山から溶け出た氷河が流れ込む湖でその青さに感動する。
奥の山々の氷河も迫力がありかっこいい。
ビアンコ湖の前で15分ほど停車し、下車することもできたのでゆっくり景色を楽しむことができた。
ポスキアーヴォ
ポスキアーヴォというボスキアーヴォ湖を中心に広がるリゾート地に入るまで標高を一気に落としていくのだが、この列車は返しがなく急勾配を走ることができない。そのため同じ場所を何回か大きく蛇行しながら徐々に標高を下げていく。
地図で見るとこんな感じ
そのため、同じ景色が徐々に近づいてくる。
ちなみにポスキアーヴォはスイスだが、すでにイタリア語圏である。
こんな経験は普通の列車ではまず体験できないので面白かった。
ループ橋
最後の見どころはループ橋である。
こちらも標高を徐々に下げるための石橋で360度回転したのち、降りてきた橋の間を通過するという、なんとも不思議な場所である。
ループ橋を通りすぎるともう終点のティラーノも近い。
おまけ
ティラーノについたあとの移動
終点はイタリアのティラーノだ。主要都市から離れているため、ミラノまで移動する必要があった。
とりあえず駅前で食べたアイスが美味しかった。スイスからイタリアに降り立った途端物価が安くなって感動した。
ティラーノ駅の窓口は閉まっていたので、バス停の場所が分からずしばらくウロウロした。バス停は降車した場所の線路向かいにあった(下のマップ見てね)。
ティラーノからはコリコ(Colico)という街までバスで移動。コリコからミラノまでは電車で移動。電車で直接ミラノにもいけるようだが、時間帯的にバスと乗り継いだ方が早かった。
ティラーノのバス停の位置。降車場所の線路向かいにある
もし氷河特急と迷ったら?
予算や移動の都合で氷河特急かベルニナ特急、どちらかしか乗れない!という方には迷わずにベルニナ急行をおすすめする。
価格も氷河特急よりも安いし、何より氷河や山岳などの景色がとても綺麗だった(天気が良かったこともあるかもしれない)。
スイスから国境を超えてイタリアに進むにつれて景色が足早に変化していくのも面白かった。解説も日本語版があったため歴史など詳しく知ることができた。
また食事の提供がないため、優雅な旅ではないかもしれないが、純粋に景色を楽しんでいる人が多く和気藹々とした雰囲気で楽しかった。
氷河特急では食事を取らないと肩身が狭いので、食事はせずなるべく安くスイスの鉄道を楽しみたいという方にはベルニナ急行がおすすめである。
↓氷河特急の記事も参考にどうぞ